ホシノ少年の謎と突然の降板　山崎光春

しかし、第25話以降、ホシノ少年は突如として番組から姿を消してしまいます1。この突然の消失について、当時から様々な憶測が飛び交いました。病気や失踪、事故、あるいは同年代の少年たちの嫉妬の声が酷かったためクビになったなど、多くのうわさが広がりました1。

実際の真相は、ホシノ少年役を演じた津沢彰秀さん本人が複数のメディアで説明しています1。1967年1月4日、『ウルトラマン』の撮影がお休みだった日に、津沢さんはお兄さんと人工スキー場「読売スキーセンター」に行き、そこで足を骨折する大怪我をしてしまったのです1。手術が必要な怪我で、2か月もの間入院することになりました1。

津沢さんは当時、中高一貫校の受験を控えていました1。撮影を休んで療養を優先し、受験には合格したものの、芸能活動の目処が立たず、学業と芸能活動の両立が困難であると判断し、やむなく芸能界を引退することになりました1。

フジ隊員役の桜井浩子さんがホストを務める動画チャンネル「ROCO TALK」に出演した津沢さんは、「最後までやり切りたかった」と残念そうに話しています1。芸能界引退後、津沢さんは大手企業に就職し、現在70歳になりました1。時折、ウルトラ関連のイベントなどに出演しており、ダンディな風貌になった現在でも、話し出すとチャーミングな目元にホシノ少年の面影が残っています1。

ホシノ少年の突然の降板は、ファンにとって大きな謎でしたが、実際には不慮の事故による怪我が原因でした。津沢さんの勇敢さと無鉄砲さは、演じていたホシノ少年と通じるものがあり、その後の人生においても、ホシノ少年の精神は津沢さんの中に生き続けているのかもしれません。